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※自転車研究家の鈴木邦友評議員からの報告です。(2012年2月29日)

ハブシャフトの折れⅠ

・・・・・ハブシャフト 折れたら要注意! ・・・・・

 
         中央の幅が合致していれば正常
         このフレームは右エンドが僅かに内側に曲がっていることがわかる

ハブシャフトの折れ。面白いことに経験する方は立て続けに経験するが、しない方はまったくしない。ハブ自体が悪いのか、乗り方が悪いのか、走り方が悪いのか、ちょっと気になってしまう。

ところがハブシャフトの折れは、意外なところにその原因がある。

その原因とは・・・・・、フレームの精度だ。

つまり精度の悪いフレームを使っていれば永久にハブシャフト折れに見舞われることになる。

まずチェックするところは、エンドの平行。これがシャフト折れの最大の原因。ハブシャフトが折れる自転車を見てみると大抵ここが狂っている。

次のチェックポイントはエンド幅。ハブのロックナット幅よりも狭くても広くてもダメ。理想はロックナット幅より僅かに広いといったところ。エンド幅がハブロックナット幅にあっていないということはたとえフレーム単体で平行が出ていたとしてもハブナットを締めたときに平行ではなくなってしまうということになる。これでは何の意味もない。特にエンド幅が広すぎる場合には、ハブナットを締めたときにシャフトが曲げられる方向と車輌総重量でハブシャフトが曲げられる方向とが重なってしまうことになる。

そして最後は車輪を取り付けたときに前輪と後輪が一面になっているかどうかということ。つまりフレーム自体のセンターが出ているかということ。どんなにエンドが平行でエンド幅がピッタリだったとしても、フレーム自体が狂っていてその狂いを修正するために車輪をずらして固定してしまっているのでは、エンドの平行が出ていないのと同じことになってしまうからだ。

ではなぜエンドの平行が出ていないとハブシャフトが折れやすくなるかというと、ハブシャフトに常態として余計な曲げ応力やせん断応力が発生してしまうからだ。この応力はフレームを修正しない限り永久にシャフトに発生し、いずれシャフトに永久ひずみとして現れたり破壊させたりということになる。

さらにエンドの平行が出ていないと、ハブナットを締めこんだときにフレームの芯を狂わすことにもなる。つまり自転車の操縦安定性等基本性能をも揺るがすことになる。

ではどのようにしてエンドの平行や幅、フレーム自体の芯をチェックするかというと、それぞれ専用の測定器や修正器があるのでそれを当てれば一発。しかしそのような道具が手にできない環境では、身近な物を使っても簡単に測定することはできる。エンドの平行はエンドの両内面にストレートな長い棒等をピッタリと貼り付け、互いの棒の両先端の間隔を測ってみればよい。またエンドの間隔は使用するハブを取り付けてみれば一目瞭然。前後フォークの狂いは車輪を取り付け、リムとフォークチューブとの間隔を実測すれば分かる。さらにフレーム全体のひずみは、地面から10cmほどの高さのところでタイヤのどちらかのサイドに糸を張り糸がストレートなまま4点でピッタリ接しているかどうか確かめる。どこかおかしいところがあれば修正することになるが、ここからは専門店やメーカーに依頼したほうが良い。最近のフレームは非鉄金属や金属以外の材料を使ったもの、また鉄でも精密鋳造のエンドやラグを使ったものもあるので、素人がやたらに力を入れてしまうと折れたり強度を落としてしまったりということにもなりかねないからだ。

ここまでしっかりやっておけば、ハブシャフトの折れは激減するはず、しかも操安性も向上する。

旅行前には必ずチェックしておきたいところだ。


    エンド巾と平行の測定と矯正ができるフォークアライメントツール



           エンド巾を計る
      ハブロックナット巾と同じか僅かに広ければ正常



   常な車輪を装着しリムとフォークとの間隔を測る
  左右エンドが平行でこの間隔が左右違っていたとしたら、フォーク全体が歪んでいる


前後車輪に接するように糸を張り、糸がまっすぐの状態で車輪の四点が接していれば正常
一ヶ所でも糸が曲がっていたり隙間があいていたら、フレーム全体が歪んでいる

                                      鈴木邦友

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