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第14回「植村直己冒険賞」

                                  ペダリアン2010(第112号)

  冒険家植村直己さん顕彰の賞

 国民栄誉賞を受賞したわが国で最たる世界的な冒険家植村直己さんの処女作「青春を山に賭けて」(1965年ヒマラヤ・ゴジュンバカンから1971年エベレスト南壁までの青春の日々が綴られている)は、地球体験を目指す人々のバイブルとしてロングセラーを続けている書だ。
 植村さんは、1984年2月12日、北米最高峰アラスカのマッキンリーに世界初の厳冬期単独登頂を果たし、下山中に消息を絶ってしまった。
 植村さんの故郷兵庫県豊岡市は、世界を舞台に多くの偉業を成し遂げた冒険家植村さんを顕彰する施設として1994年4月「植村直己冒険館」を開館する。「植村直己冒険賞」は、この「植村直己冒険館」を拠点として展開する冒険を顕彰する事業として1996年に創設されている。
 賞は植村さんの優れた人となりを後世に永く継承するために設けられ、毎年1月から12月までの1年間を対象に、人間の可能性に挑んだ創造的な勇気ある地球体験行動をした人、または団体に贈られる。

 第14回の選考委員には、国立民俗学博物館名誉教授の石毛直道氏、兵庫県立人と自然の博物館名誉館長の河合雅雄氏、作家の椎名誠氏、作家の西木正明氏、そして中貝宗治豊岡市長。
 推薦委員には、「山と渓谷社」編集本部長の節田重節氏、「ICI石井スポーツ」部長の越谷英雄氏、「舵社」編集局長の田久保雅己氏、写真家の安藤幹久氏、映像カメラマンの大谷映芳氏、地平線会議の三輪主彦氏、そしてJACCの池本元光代表。
 受賞者は1996年の第1回目は登山家の尾崎隆氏、それから順にヨットマンの米子昭男氏、グレートジャーニーの関野吉晴氏、極地冒険の大場満郎氏、熱気球の神田道夫氏、走り旅の中山嘉太郎氏、登山家の山野井泰史・妙子夫妻、と続く。2003年の第8回には厳冬期シベリア自転車単独横断のJACC安東浩正が受賞。そして、登山家の渡邊玉枝氏、リヤカーマンの永瀬忠志氏、登山家の小松由佳氏、エベレスト清掃登山の野口健氏、と続き2008年の第13回受賞にはヒマラヤ8000メートル峰14座完登を目指し、11座登頂に成功した竹内洋岳氏が決定したが辞退している。

 第14回の受賞選考は、2010年2月、東京御茶ノ水にある植村さんの母校、明治大学紫紺館において行われた。194件の冒険から最終選考に残ったのは、障害を乗り越えての電動アシスト自転車によるオーストラリア横断を果たした風間深志氏ほか3名、厳冬期カナダ中央平原2遠征2000キロメートル自転車で縦断した田中幹也氏、そして世界130ヵ国15万1849kmを自転車で走破したJACC中西大輔、と奇しくも自転車冒険3件の審査が選考委員によって行われた。
 推薦委員を代表して越谷氏が総評を報告され、池本は中西の推薦理由を選考委員へ伝えた。ヒマラヤ8000メートル峰14座完登を目指し昨年度辞退した竹内氏の冒険レベルではないが、「世界130ヵ国走破への道は、少年が自転車でとなり町へ行く素朴な冒険精神の延長で、友好を深める地球体験は貴重な行為」で、植村さんの人となりに通ずるものであると、全会一致で中西に決まった。
 中西は、JACCが制定する活躍した世界のサイクリストに贈る「地球体験ペダリアン大賞」(原則5年に一度)を、待井剛に次いで第4回の2009年10月に受賞し、「植村直己冒険賞」とのダブル受賞となった。

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